思いつき商売アイデアVol.10「シチュエーション・レストラン」

しょーもない商売のアイデアを50個とか100個とか、キリの良い数だけ綴って、しょーもない商売アイデア・カタログとしてこのブログを終了する目論見なのだが、やっとの思いで10個目にたどり着いた。どんな投資家も振り向かないほどしょーもなくていいとはいえ、後数十個思いつく気は全くしないし、最近の滑り加減が盛大すぎて、ブログのことを考えると憂鬱でしかない。

ブログを続けるのは大変だが、環状線の駅周辺を毎月男五人で宛もなく飲み歩く企画は、三年半、途切れることなく毎月続いていおり、辞める気配は一向にない。それどころか三週目にして大正駅の魅力にドはまりし、開催一週間後である昨日、大正駅に再度集合して、飲み歩いてしまった。シベリアに抑留されていた主人が営む「クラスノ」(強制収容所があった場所の地名)という店があると耳にして、いてもたってもいられなくなったのも再集合した大きな理由である。ただ、残念ながら、主人は数年前に亡くなっており、今は二代目が切り盛りしていて、極寒のシベリアでの地獄の労働や解放の喜び、日本への帰還の物語を期待していた自分たちにとっては少々残念な結果となった。

環状線企画は決して流行りの店やうまい店を探しているのではない。何らかのドラマ性を求めていて、チャンスがあれば店主と話して、その人や店がつくってきたドラマの一端に触れることを目指している。

振り返ってみると、味が好きだからというのもあるが、結局、店のドラマ性が常連になりたいと思う条件ではないか。以前、自分が10年以上通い続けていた居酒屋も、味はとりたてて良いわけではなかった。店主が競馬に負けると味付けが変わるという意味不明の現象もあった。ただ、そこに訪れるどうやって生計を立てているかわからない謎めいた客と店主の怪しげなやりとりや、跡継ぎになるであろうまじめな方の息子と手伝わずにただ飯ばかり食うイカれたバカ息子のコントラスト、別れた元嫁が男連れで来てピリついた空気になるとか、クレイジーな人情ドラマが結構楽しく、それを横から眺めたかったし、時々中に入りたかった。

しかし、こういう店には中々巡り合わないし、情報誌やネットでは「大阪うまい店100」とか、「うまい」が切り口になった情報ばかりで、ドラマを求める気持ちに応えてくれる情報は少ない。ならば、意図的にドラマ的なシチュエーションを持った飲食店を作ってみるのもよいのではないかと考えた。それが「シチュエーション・レストラン」である。

パターンA: ドラマチック食堂

「ドラマチック食堂」とは、古き良き食堂の外観・内装を持ちながら、店主、店員や常連客は役者であり、作家がつくったストーリーを演じる飲食店である。街の食堂にあるちょっとおかしな日常、ハプニング、人情話を演技で作り上げ、観客はその店の客としてシチュエーションに参加して、エピソードを目撃・体験する。

ストーリーはテレビドラマのように、10エピソードで構成。一つ一つのエピソードが飲食店を舞台とした公演となる仕組みだ。例えば、舞台設定は以下のような感じである。

先代が5年前に突然他界し、今では 二代目である息子と母親が切り盛りする薄汚れた食堂。陽気な母親が注文を取り、口は悪いが母親思いの息子が調理する。二代目は40才を超えて親父の代からの常連によくからかわれていて、それが気に食わない。店主の息子は時々学校帰りに店に来ては手伝う、わんぱくだがよくできた子である…。

この食堂に亡くなった先代の友人が来店して思い出話をしたり、常連の金ちゃんが亡くなって悲しみにくれたり、二代目の息子が喧嘩して酷い傷を負って帰ってきたり…など、様々な人情エピソードが展開される。エピソードの端々には店舗周辺地域に伝わる実際の歴史的な逸話を織り交ぜて、リアリティを演出する(昔、このあたりには〇〇という暴走族がいて…)。

客はウェブサイトで公開されるエピソードのアウトラインをチェックし、座席を予約、予め料理を注文するシステム(生姜焼き定食や焼きそば定食のような定番メニュー)。店内に入ると、事前にオーダーした料理が運び込まれ、物語がスタートする。1つのエピソードは1時間程度。客はただ物語を眺めているだけでもいいし、店主に話しかけるなど、多少物語の中に入っていってもいい。逆に、店主から声をかけられ、物語に引き入れられることもある。「おい、ヤスヒサ、随分歳とったな。もう40か」…みたいな。事前にプロフィールを登録し、座席も決まっているので、ある程度の会話は可能となる。

実現に向けて必要になるのが、いい作家と役者、テーブル席20席程度の昔ながらのボロ食堂である。できるだけ低価格の入場料を実現するために、ビール会社などのスポンサーにも期待したい。

パターンB: マタギのジビエ小屋

個人的に憧れている「マタギとの出会い」を実現したい。
「マタギ」とは、東北地方・北海道から北関東、甲信越地方にかけての山岳地帯で、古い方法を用いて狩猟を行う者。
※「マタギ」のリアルな姿はこちらを参照。

ある山を歩いていると、予期せず鹿を担いだ「マタギ」(役者)に出会い、「クマが出るから気をつけろ、少し俺の家でゆっくりしたほうがいい」と方言混じりの言葉で声をかけられる。素直に「マタギ」が暮らす山小屋について行くと、「これでも食っとけ」と、彼が仕留めた鹿の肉をさばき、ご馳走してくれる、ワイルドな「ジビエ」レストランだ。これは作物を荒らす害獣を退治するために、ハンティングを許可している自治体の山に小屋をつくり、当地で捕獲した獣をさばいて提供することを想定している。

その他にも、人里離れた山の中で俗世間と距離を置きながら人間の本来の生き方をしている「ヒッピー親父との邂逅カフェ」。離島で出会う通称「仙人」との交流が出来る「仙人との出逢いカヤックツアー」など、旅とのセット商品として、さまざまな可能性が広がる。

将来的にはシチュエーションを次から次へとリリースし、新しいシチュエーションが決まれば予約アプリケーションを通じて「新作」として通知され、ファンになってくれた人たちが気軽に来てもらえるような事業に成長させていきたい。そして、心の底からシチュエーションに飢えている人たちを満たしたい。

まだまだ思いつきの域を出ないアイデアですが、万が一、興味あるという方や、アドバイスしてやってもいいぞ、という方がいらっしゃいましたら、twitterやfacebookにコメントをお願いします。

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